子育て

【親は先に居なくなる】偏屈パパの子育て哲学

親は先に死ぬ

私は死ぬ。
確実に死ぬ。
これは生まれた瞬間に確定している。
順当にいけば君より先に死ぬ。
イレギュラーが起こらない限り君より先に死ぬ。

それは君の目の前から居なくなるという事。
それがいつかは分からない。
明日かもしれないし明後日かもしれない。
もしかしたら50年後かもしれない。
50年後と言わずとも30年後くらいだったら
まだ良い方かもしれない。
親が居なくなる前に君は
【一人でも生活できる力】
を身につけなければならない。

君は今、16歳で高校も辞めて引きこもり。
部屋からはほとんど出ず、家からも出ない。
そんな生活がもう4ヶ月以上続いている。

学校を辞める時にした2つの約束

君が学校を辞める時、条件を出した。
【バイトをする事】【好きな事を見つける事】
この二つを君は約束してくれた。
どちらもまだ探そうという動きは見られない。

約束した二つの条件を反故にされている。
バイトも探さず好きな事も探していない。
毎日食って寝るだけ・・・
私はできた人間ではない。
そんな状態の君を見ると正直腹が立つ。
たまに『バイトは探してるか?』とか
『好きな事は見つかったか?』と聞く。
でも君はいつも首を横に振るだけ。

でも、私は早く行動しろとは言わない。
それはなぜか・・・
私は自分の両親のように口うるさい親になりたくない
というのもあるが何より【君自身が自分の意志で行動しよう】
と思うことが大切だと思うから。

君が私との約束を守ってくれると信じているから。

自発的行動【考える力】【行動力】

親も含め自分以外の人間から言われて行動するのは
自分の意志ではなく嫌々やらされてる(やっている)感が出てしまう。
自分の意志で始めたことでなくては
その物事がうまくいかなかった時に、
自分が選んでやったことじゃない
やりたい事じゃなかった
プレッシャーをかけられて嫌々っていた』などと
他者の責任にできてしまう。
そういう言い訳をする人間になってほしくないし
そういう言い訳をさせない。
周りからは何も言わないなんて
甘やかしすぎだと言われることもあるけど
私は逆だと思っている。


自分で選択して自分で意思決定して自分で行動する。
一見当たり前のようだけど、これって学校で習うことではない。
だから大人でもなかなかできる人は少ないと思う。
幼稚園も親が決めるし、小学校中学校も住んでいる地域で決まってるし
登校時間も始業時間も授業時間も休み時間も終業時間も
教科も学期も学年も全て学校や社会に決めてもらっている。
その中で与えられた事をこなしていけば良いだけ。
ただ義務教育以降は自分で考えて選択、行動できる選択肢は増えてくるが、
何も考えていない人間は多い。
何も考えずに行けそうな高校へ行き、
働きたくないからという理由で大学へ進学する者も居る。
思考停止の状態は楽で心地良いのだ。

大人になって社会に出ても出勤時間は決められているし
会社から与えられた仕事をこなして会社が定めた休日に休む。
そうやって思考停止状態の大人はたくさん居る。
そんな中でも自分でやりたい事を見つけ行動できる人間は少ないし
出来る人は本当に凄い人間だと思う。

思考停止状態に気付きそこから抜け出そうと努力する。
これは人間としての一種の【強さ】だと思う。
ただそれができる人間は一握りだ。
その【強さ】を君に持ってほしいと思う。
そういう強さを持っていれば
私が居なくなったとしても大丈夫だと思うから。
自分で考えて探して選択して行動できる
強さを手に入れてほしいのです。
だから何も言わない。(ヒントは出すかもしれんけど)

なぜこの2つの条件なのか

一見、簡単な条件のように見えるかもしれませんが、
それで良いと考えています。
いきなり高いハードルを設定してしまうと挫折しやすいと思いますし
行動する前に腰が引けてしまうと思ったからです。
小さな成功体験を積み重ねていって
徐々に高いハードルに挑戦していくのが
成功への道筋だと考えているからです。
二つの条件の理由については以下で解説します。

条件1:【バイトをする】

1つ目は【バイトをする事】
これに関しては、最悪時間を切り売りする
時間労働をする事を覚えていれば
食いっぱぐれることはないからです。
それに労働力を売ってお金を稼ぐという
労働の基礎を学べるからです。
あとは、引きこもりの君にとって
人との交流も経験できるし、
もしかしたら良い仲間に巡り合えるかもしれないし
恋人ができるかもしれない。
そういった出会いも大切だと感じてほしいから。
嫌な先輩だとか上司に出会うのも君の人生の経験値になるからね。
本当に辛かったら無理して続けなくていいから、
バイトは経験しておいてほしいなと思っています。

条件2:【好きな事を見つける】

2つ目は【好きな事を見つける】
これは単純に好きな事を仕事にできれば人生が豊かになるからです。
私自身好きでもない仕事を『子どもの為・子どもの為』と思いながら
子どもに寂しい思いをさせてまで続けてきて
41歳を過ぎた頃、上司のパワハラで会社を辞めた時、
自分には何も好きな事もやりたい事も無いし、
何のスキルも無く何者でもない自分に気付いて絶望したんですね。
こんな思いをしてほしくはないですし、
言い換えれば手に職を持ってほしいという事ですね。
子どもに伝えるときに『手に職をつけろ』というより
『好きな事を見つけなさい』と言ったほうが
可能性が広がると思ったからです。

今の時代何でも仕事にできてしまうと思うんですよ。
私が子供時代ゲームが好きだなんて言っても
ゲームで食っていけるかと叱られて終わりでしたが
現代ではプロゲーマーという職業があるくらいですから。
好きな事を突き詰めていけば仕事にできる時代だと思います。
やっぱり子どもには豊かな人生を送ってほしいと思うのは
親として当然の気持ちだと思います。
だから好きな事を見つけるんだよ。

生きていく強さ

君が1歳の時に君のお母さんである私の妻は亡くなった。
それ以降15年間、近くに頼れる親類もなく二人で暮らしてきました。
そんな中、私は君を育てるため君のためと仕事に精を出し
君の事をあまり見れていませんでした。
そして君が中学校に上がるときにADHDと診断されました。
もっと早くに気付いてあげていれば
もっと君に合った教育をしてあげていれば
もっと違う今になっていたかもしれないのに。
引きこもりなんかになってなかったかもしれないのに。
後悔先に立たずとは正にこの事。本当にごめんなさい。
でも、悔やんでばかりいても何も変わらない。
起こってしまったことは変えられない。
だから今からできることを前向きに探していこうよ。

高校を辞める時に出した2つの条件。
約束してくれたけど、それは無限に選択肢があったら
逆に迷って選べないと思ったから、考えて2つに絞りました。
けど、それ以外の方法で自立できるための行動をしてくれたら
嬉しいし認めるよ。
だから、何でも言って来いよ!
私が生きて働けている間はできる限りのフォローはするし、
失敗したら尻も拭いてやる。

ADHDの子どもは一説では実年齢の2/3が精神年齢だと言われます。
なら君が30歳くらいまでに見つけてくれたらいいな。
でも、いつどこで何が起こるか分からない世の中。
今もコロナの第2波が来てるみたいだし、
いつ大地震が起こるかも分からない、
私が生きて働けている間にいろんな経験をして
人間としての強さを身につけてください。
出来たら良いパートナーも見つけてください。

私は死ぬ。
確実に死ぬ。
これは生まれた瞬間に確定している。
順当にいけば君より先に死ぬ。
イレギュラーが起こらない限り君より先に死ぬ。
一人でも生きていく強さ
共に生きてくれる仲間を
手に入れてください。
なるべく早めに・・・(笑)